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2006年08月16日

第1章 出航 危機脱出(4)

復習する



「それは分からないよ。ぼくたちは、地球の生き物しか知らないし、今君が言った生き物だって、想像上の生き物だろう。この地球上にだって、いろんな種類の生物が棲んでいるし、絶滅してしまった種類もまた数多くいる。今は、人間を含めたほ乳類が一番進化した生物と見られているけど、この先ほ乳類からさらに進化した生物が出現しないとも限らない。いや、きっと出現するだろう。今から、一億年後にはほ乳類に替わって、別の種族が地球を支配しているかもしれない。人類は進化した別の生物になっているか、絶滅してしまいこの世にはいないかもしれない。人間なんて、この地球に現れたのは、長い地球の歴史から見れば、つい最近のことなんだよ。ゴリラやチンパンジーなどのいわゆる類人猿と分かれたのが、約500万年前といわれている。宇宙の誕生ははるか140億年前なんだぜ。それと、多様性からいったら、昆虫にはかなわない。なんとこの地球上には50万種類の昆虫がいるんだぜ。空を飛ぶものから、水中や地中にも生息する。蚊の仲間のユスリカの一種で100度の熱湯や、氷点下、強酸でも死なない昆虫の卵がある。そんなことを考えると、地球上で最後まで生き延びることができるのは、昆虫じゃないかな。」
「火星人がたこ入道のような形で描かれたのは、望遠鏡で火星を見ると、そこには幾筋もの運河らしき線が見えたものだから、火星に運河があると思われ、運河を建設するほどの文明が発達しているのならば、脳も発達していて、脳みそもいっぱい詰まっているに違いないし、火星の重力は小さいので、丈夫な骨格が無くても身体を支えることが出来るから、たこ入道のような形で描かれるようになったんだ。まあ、地球人の考えそうなことだな。バルタン星人やウルトラマンはテレビの中の悪役とヒーローだから問題外だね。」
子供達が、甲板で話に夢中になっていると、天中から東南の水平線に向かって、大きな流れ星が明るい軌跡を描きながら流れた。
「あっ! 流れ星。」
『サスケ』が叫んだ。
『マンガ』君(安部勝一)は流れ星が消えないうちに、急いで三度願い事を願った。
「僕たちの航海が無事に成功しますように。僕たちの航海が無事に成功しますように。僕たちの航海が無事に成功しますように。」
迷信だとは分かっていても、良いと言われることはやっておいて損はない。『マンガ』君はそう思った。

『イサム』おじさん(安部イサムさん)は緊張のあまり武者震いをしているように見えた。おじさんの膝頭が小刻みに震えているのがはた目にもよく分かった。
太一おじさん(小笠原太一さん)も同じように武者震いをしていた。
太一おじさんのお父さんは、数十年前日本から独立しようとして戦った吉里吉里国の初代大統領だった。『サスケ』たちの生まれるずっと前、昭和時代のことだ。
太一おじさんはその時はまだ小学校の低学年で、イサムおじさんのような活躍ができなかったことが、子供心に悔しかった。吉里吉里国の独立が失敗したことが無性に悔しくて時々夢に見ると言う。よっぽど悔しかったんだろう。
『イサム』おじさんはそのとき、少年保安官として大人に負けない、いや大人顔負けの活躍をしたんだ。その働きは井上ひさしさんという作家が『吉里吉里人』と言う小説に詳しく書いている。かなり長編小説だけど読んでみると当時のことがよく分かる。でももう本屋さんでは売っていないので、電子図書で見るしかない。


危機脱出(5)


吉里吉里国 は、井上ひさしの小説『吉里吉里人(きりきりじん)』(新潮文庫)に登場する架空の国。ある日、東北地方の一寒村(物語上では宮城県北部にある吉里吉里町)が突如独立宣言して誕生する国家。

日本国とは違った通貨単位「イェン」、地元方言を母語に持ち、さらには科学立国を称し、様々な怪しげな実験が国内において繰り広げられている。
posted by 冬野☆男 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1章 出航 危機脱出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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