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2006年08月19日

第1章 出航 カツゾーの夢(3)

復習する

「どうやら無事に日本国の領海を抜け出せたようだな。」
と、イサムおじさんは感慨深げに息子の勝一に話しかけた。
「これからこの船はどこに行くのかなあ。」
と、マンガ君がたずねた。
「わしらの目的は新しい国づくりだ。
侵略や略奪の無い世の中にすること。他国の領土を奪ったり、地図の上での陣取り合戦など無意味なことを世界中に判らせたい。
それと、原子力や石油に依存するエネルギー政策の転換を各国に呼びかけなければいけない。
1960年ごろ石油資源は30年で掘りつくされると考えられていた。
それから新しい油田の発見や採油技術の向上で未だに石油は掘り続けられてはいるが、枯渇するのは時間の問題なのはいうまでもない。その限りある石油の利権を求めて、国連の名を借りた侵略や戦争が後を絶たない。
一方では、そのエネルギー問題の解決を原子力に頼ろうとしている。
それだってウラン資源が無尽蔵にあるわけではなく、足りなくなることは判っている。それで、使用済みのウランをリサイクルする技術が考えられている。理論上は可能だろ
うが問題が多すぎて、開発を途中で断念する国がほとんどだ。
ところが日本政府は開発を推進している。国民には安全だから大丈夫の一点張りで、安全の根拠は一切示されない。
そんなに安全なら、エネルギーの大量消費地である大都会のど真ん中に原子力発電所を作れば良いんだ。
そうすれば、送電中に損失するエネルギーも大幅に削減される。
でも現実には、都会から遠く離れた過疎地に建設されている。百パーセント安全だとは確信していない証拠のあらわれだ。
いつも力の弱いところ、お金のない地方が犠牲になる。このままでは、人類は自分たちの科学技術を過信しすぎて、取り返しの付かないところに行ってしまう。そんな気がするなあ。
現に、ソビエト連邦という国があったとき、チェリノブイリというところで、原子力発電所の爆発事故があって、多くの人が被爆した。日本でも、東海村で被爆事故がおこっている。
われわれは、ある鉱物資源を求めて航海に出る。
この鉱物資源は、フー岩といって、大気より軽い金属で出来ている。
まだ地球に隕石が降り注いでいた時代に、この金属は宇宙から飛んできて地球と衝突した。
普通なら、大気より軽い物質だから宇宙に飛び出していきそうなものだが、そのときの熱で周りの岩石が溶けて、偶然にもこの隕石を取り込んでしまったらしい。この鉱物資源については、われわれしか知らない。海江田船長が、航海中にたまたま計器の異常から発見した。
この、フー岩資源を利用して、宇宙船を作る。ほとんど燃料を使用しないで運行できる、宇宙船が作れる。
我が吉里吉里国は、何世代か後には宇宙に飛び出すことになるであろう。そのためにも、このフー岩を採掘しなければならない。
幸にも、この資源が眠る海域はどこの国にも所属していない。
いずれ、この地球に生命が存在しなくなる時代が必ず来る。
そのときが来てからでは遅すぎる。
2004年3月には、地球からわずか6600キロメートルの上空を小惑星が通過していった。
地球の半径が約6400キロメートルだから、いかにすれすれを通過したかが分かるだろう。
このときの小惑星は直径が8メートルという大きさだったので、地球の引力に捉えられたとしても、大気圏に突入すると地表に届く前にバラバラになり、大きな被害にはならなかっただろうが、いつでもその危険はつきまとっている。」と、イサムおじさんは熱っぽく語った。

『サスケ』たちの目の前で、またひとつ流れ星が流れた。
この流れ星を合図に、流れ星の天文ショーが開幕した。
一時間に50から60個の流れ星が夜空の一点からシャワーのように降り注いできた。真夏の天文ショーは明け方まで続いていた。
こんな凄い流れ星を見たのは初めてだから、『サスケ』は興奮しちゃって目が冴えてきて、結局朝方まで眠れなかった。
陸の上とは違って、360度まわりが全て空で、人工の光が届かない大海原での天文ショーはそれは見事なものだった。岩手県釜石の空も澄んでいて、それなりに星空は楽しめるけれど、海上で見るそれは、何十倍も素晴らしい。
『学者君』が教えてくれたんだけど、この夜地球はスイフト・タットル彗星の軌道と交差したんだって。そして、『サスケ』たちは一番良い特等席でこの天文ショーを見ることが出来た。
なんだか不思議だよね、流れ星は、彗星がはき出したチリが地球の大気に飛び込んで燃えた軌跡なんだけど。『サスケ』は心の中で思った。


こっくりさん

posted by 冬野☆男 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1章 出航 カツゾーの夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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