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2006年08月20日

第1章 出航 こっくりさん

復習する



女の子たちは、天文ショーが始まるまで部屋に集りおしゃべりをして過ごした。
とにかく、女の子は、二人以上集まったら何時間でも話ができる特別の才能を持っている。男の子には全く理解しがたい才能だ。
「ねえ、サキちゃん(伊藤美咲)。こっくりさんで恋占いをしない。」
と、ネネちゃん(安部仁美)が声をかけた。
『ネネ』ちゃんというのは、話のなかに、「それでネ、」とか「だからネ、」「・・・だよネ」と、ネを連発するので、『ネネ』ちゃんと呼ばれるようになった。
「ネネちゃん、こっくりさんやれるの。」
と、サキちゃん。
「できるわよ。わたしのこっくりさんは、良く当たるのでクラスでも有名だったのよ。この間なんか、クラスで飼っていたペットのミニウサギがいなくなり、皆で大捜査線網をしいて捜したんだけど見つからなくて、諦めかけていたの。
わたしが、こっくりさんで占ってみようと言って、こっくりさんをやったわけ。
そうしたら、二階の女子トイレにいると、告げられたのよ。直ぐに探しに行ったら、本当にいたのよ。ねっ、すごいでしょ。
それからしょっちゅう、占いの依頼が後を絶たないの。」
と、サキちゃん。
「こっくりさんって、こうやるんだよ。」
と、言って、サキちゃんは目の前のパソコンに五十音がプリントされたシートをつないだ。シートには、50音のほかに鳥居と「はい」「いいえ」、0から9までの数字、が印刷されてあった。
「コインが必要だわね。」
といって、財布から1枚のコインを取り出した。
「あなたとあなた、手伝ってね。」
と、二人を指差して指名した。
「まずサキちゃんのボーイフレンドのこと占ってあげるね。」
と、ネネちゃん。
「きゃ、はずかしい。やだわ。」
と、ネネちゃんは言ったけど、まんざらいやでもない風だった。
ネネちゃんたちは、シートの鳥居の位置にコインを置き、夫々の人差し指をコインの上に乗せて目をつぶった。
「こっくりさま、こっくりさま、ここは太陽系、第三惑星地球、太平洋の海の上です。どうぞおいでください。おいでなられましたら「はい」へお進みください。」
と、サキちゃんが唱えた。
こっくりさんがやってきたらしく、三人の人差し指が乗っているコインが「はい」の位置へと移動していった。
「こっくりさま、こっくりさま、お尋ねします。サキちゃんの好きな人はこの船に乗っていますか。」
コインは、またもや「はい」の方へ移動した。
ネネちゃんは、ちょっぴりほほを赤らめてみていた。
「こっくりさま、こっくりさま、その人の名前は誰ですか。」
「いやだわ、そんなこと聞かないでよ。」
と、ネネちゃんは大きな声を出した。
コインは、50音表の上を、文字を探しながらゆっくりと移動し始めた。
最初に指した文字は、左に大きく動き、や行で止まり静かに下へ降りてゆき「よ」の文字で静止した。
再びコインが動き出し、さ行の「し」で止まった。
コインは、5つの文字を次々と指していった。5つの文字を移動したコインは、「゛」の上に制止したまま動かなくなった。
その文字は順番に「よ」「し」「か」「す」「゛」と読めた。
「あっ、よしかず君だ。」
と、誰かが言った。
ネネちゃんの顔は上気して真っ赤になっていた。
サキちゃんが言うように、彼女のこっくりさんは当たるようだ。
その日は、こっくりさんに鳥居に帰っていただき、終わりとなった。
サキちゃんのこっくりさんが良く当たるので、翌日から女の子たちは退屈な時間の大半をこっくりさん占いで時間を潰すようになっていた。


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posted by 冬野☆男 at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1章 出航 こっくりさん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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