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2006年08月23日

第1章 出航 なぞの侵入者

復習する

子供たちが寝室でベッドに潜り込み、ぐっすり寝ていると、突然警戒音が警備室で鳴った。船内に張り巡らせたセンサーが何かを、感知したようだ。一瞬空気が凍り付いた。
「あれほど完璧な警備体制を敷き、厳重な警備をしていたはずなのに、一体何者が、どうやって船内にもぐり込んだのか。」
と、元少年保安官の安部イサムは独り言を発していた。
「誰か、何者かと通じているやつが潜り込んでいるかもしれないな。」
この船には、二重三重のチェックをくぐり抜けなければ乗り込むことは出来ない。
乗船口には自動扉があり、人差し指をセンサーに当て、マジックミラーを覗かなければならない。
各人の瞳孔の模様をコンピュータに記憶させてある。さらに指紋の照合と指先の血管の照合による二重のチェックでよりセキュリティーが保たれている。
ありんこ一匹たりとも入り込む隙など無いと皆は聞いていたはずなのに。
不審者か何か生き物が潜んでいる可能性があるようだ。
船内には、人型二足歩行ロボット4体が警備のために巡回している。キャプテンをはじめ、乗船している乗組員の情報が全て登録されており、記録に無い不審者を発見すると即座に追跡するようプログラミングされている。
ロボットの目は赤外線暗視カメラになっていて、暗闇でも被写体を確実に捉えることができ、そのの映像は警備室のモニターで見ることができる。
モニターの画面は、分割されており4体のロボットから送られてきた映像と各所に設置されている監視カメラからの映像を映し出している。必要に応じてアップにして見ることも可能なのだ。
ロボットから送られてくる映像のどれにも不審者も不審物も写っていない。そして、センサーからもその気配が消えていった。
安部イサムは、モニターを凝視したまま動かない。
「絶対に誤作動などするはずが無い。鉄壁のセキュリティーが破られた。必ず見つけ出してやる。
ココは海の上だから飛行機やヘリコプターでもない限り外へは逃げられない。念のため警備体制を強化しよう。警備用の虫型ロボットも動員するか。」と、低くつぶやいた。

「イヤー、危なかったですね。おやびん。もうちょっとで見つかるところだったじゃありませんか。くわばら、くわばら。」男がつぶやいた。
「せっかく冒険が始まったというのに、こんなところで正体がばれて捕まるわけには行きませんからね、そうでしょう、おやびん。しかし、五遁マスターマントの威力はたいしたもんですねえ。重力、体温、呼気を遮断してしまうんですから。赤外線センサーにも引っかからないわけだ。いつこんな素晴らしい物を手に入れたんですか。おやびん。」
「そのおやびんというのはなんとかならないか。どうも馬鹿にされているように聞こえてしょうがない。」
「すみません。おやびん。おっと、いけねい。また言っちゃった。」
「古くからの知り合いの発明家で、ドクター大松というのがいてね。本人は世界の発明王エジソンをしのぐ発明家だと豪語している。なんでも、特許として登録されているものだけで3000以上あり、実用新案は5000以上持っているらしい。本人も正確な数字までは確認できていないようだ。
中には、使い物にならない特許もあるようだがね。
そいつに、材料を渡したら作ってくれたんだ。材料が貴重なので、3着しか作れなかった。しかし、これを着用すれば、五遁すなわち木遁、火遁、土遁、金遁、水遁の術がたちどころにマスターできるという優れものだ。これからどんなことが起きるかわからないからおまえにも1着あげよう。
五遁の術というのは戦うための術ではなく、身を隠したり、逃げるときに用いる術なのだ。忍術というのは、敵に悟られずに、いかに戦いを避けて目的を達成させるかと言う目的で発達してきたのだよ。だから忍びの者とも言うのだよ。」
「さすがはおやびん、お父上様がルパン三世というだけあって、その血は争えませんね。」相棒が相槌を打った。
「この船にはどんなものでも感知する、万能センサーが装備されている。ところが、この五遁マスターマントはこの万能センサーの感知基準を完璧に凌駕しており、このセンサーには感知されることが無いのだよ。一見矛盾しているようだが、人間の作った機械というものは、所詮そんなものなのだよ。」
「いいか、おれたちがこの船に乗り込んでいることを知られてはいけないのだ。おれたちが見つかれば、あの人に迷惑をかけてしまう。そんなことは出来ない。」
posted by 冬野☆男 at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1章 出航 なぞの侵入者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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