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2006年08月25日

第2章 大航海『カメレオン号』の秘密(2)

復習する



こんな小さな船の中で野菜も栽培している。水気耕栽培という方法で、土を使わないで野菜を育てるんだけど、ポマトが元気に育っている。
ポマトというのは、ジャガイモにトマトを接木して作り、収穫期には下にジャガイモ、上にトマトができる。但し、普通のやり方では、それぞれに養分をとられるので、小さいものしか収穫できない。当然食料にはならない。
ここでは、ステビアから作った溶液を水耕栽培液に混合して、トマトもジャガイモも別々に作ったのとそん色なく収穫できる技術を開発した。
ジャガイモの芽には、吐き気や下痢を引き起こすソラニンという物質が含まれているが、芋自体に含まれることがある。土の表面に露出して、緑色をした芋にはこのソラニンが含まれていて、中毒症状を起こす例がある。
芽に毒があるのは知っているが、芋にも毒があるとは露知らず食べてしまう。
そのため、芋のできる部分は、直射日光を浴びないよう、黒いビニールシートで遮蔽されていた。芋を腐らせないで、水耕栽培で収穫できるということは常識では考えられない技術で、さすがに吉里吉里国の科学水準は高いと感心させられる。、
朝起きて、トマトを収穫するのは、子供たちの日課になっていた。
「どうだ、僕のトマトはこんなに大きくて、色も真っ赤だぞ。」
「なによ。私のなんか、こんなに収穫したわよ。」
「見てごらんよ。僕のトマトは、豚さんの顔にそっくりだ。」
朝の収穫の時間は、子供たちの話し声と、笑い声で賑やかである。

今から1世紀も前の1970年に大阪で万国博覧会が開催され、その期間中水気耕栽培でトマトを栽培したら、たった一株から12000個もの完熟トマトが収穫できた。土がないと植物は育たないと考えるのが普通の考え方だけど、この栽培方法を考えた人は、土があるから植物の成長が止まるのではないかと考えて、土に植えるのをやめてしまった。肥料と光と温度管理をすることで、病害虫にも強いので農薬もいらないおいしいトマトが収穫できた。
いろいろな種類の野菜や果物でも、水気耕栽培は応用されるようになってきていて、稲作やメロン栽培などでも良い結果が出ている。
特にマスクメロンは、一つの株から1個しか収穫できなかったのが、1株から何個ものメロンを収穫しても、味の良い糖度が16度以上の上玉が出来るようになった。
これはもう、農業と言うよりも、ほとんど工業生産に近い。
これからの農業は、天気に左右されない、生産も安定する形の水気耕栽培が主流になると思うんだが、なかなかそうはならない。
だって、考えてもごらん、農作物は豊作になれば、価格が下落して手間賃も出なくなり豊作貧乏といわれるし、不作の時は、べらぼうに高くなるし、とても不安定だよね。
こんな状態じゃ、まるで博打をやっているみたいだから、安心して農業を継ぐ若者がいなくなってしまったのである。
メロンなんか、はたから見れば贅沢に見えるだろうが毎日デザートに出てくる。それぐらい実をつけても、美味しいメロンが収穫できてしまうのである。
2,3日前、マリアさんは本物のメロン入りのメロンパンを焼いていた。メロンの香りがして、とても美味しいと評判だった。


忍者通信2号へ続く


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