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2006年09月04日

第3章 怪奇島 巨石像(2)

復習する


「また、ヤタガラスの勘三郎さんが現れた。我々は、何処からか監視されているようで妙な気分だな。奴は俺たちにとって福の神なのか、疫病神なのか。どっちなんだろう。」
と、マンガ君がいぶかしがる。
「前にも言ったけど、神話の中に出てくるヤタガラスは神武天皇が東征のおり熊野から大和(やまと)に入るときに天皇を先導したというありがたい鳥だから、われわれの守り神だと思うとるよ。」
と、メガネ君のお父さんの安部太一さんが言った。
「でも、それは神武天皇にとってのことであって、大和にいた者にとっては、やっぱり疫病神じゃないの。」
と、マリアさんがいった。

ところで謎の侵入者二人組はどうしたかと言うと、実は最初に目覚めたのは、学者君ではなく、この二人組だったのである。
「おい。弐右衛門半。大丈夫か。」アルフレッド・ルパンは傍らに倒れている石川弐右衛門半を揺すった。一度では反応しなかったが、再度激しく揺すると、弐右衛門半は目覚めた。
「あっ、おやびん。ご無事でしたか。」弐右衛門半は焦点の定まらない目でルパンを見た。
「いやぁ、大変な目にあった。こんなにすさまじい嵐は今まで経験したこともない。稲妻が炸裂したと思った瞬間、船は竜巻に巻き上げられたように、宙に舞った。後は何も覚えていない。気がついたら、この有り様だ。とりあえず、体は何ともないようだし、船の連中は未だ目覚めていないようだから、見つからないうちに身を潜めることにしよう。」
幸いにも、島の住民たちはまだ、様子を伺いに来るものは無かった。島民が集る前に目覚めた二人は、砂浜に自分の体が隠れるほどの穴を掘り、その中に身を潜め上に砂浜の色に似た布をかけ、息を殺してじっとしていた。忍者が良く使う土遁の術である。二人は自分たちの気配も見事に消し去った。

「この島の名前はパスクアといいます。大きい島と言う意味があります。貴方たちが今いるこの場所はアナケナといい、島で唯一の白砂の浜辺です。」
と、アドルフ青年は説明した。
「この島には、あそこにあるような石の像がたくさんあります。さすがに、侵略者たちも、ただ大きいだけで重たいこの巨大な石像は持っていく価値がないと判断したらしく、島にほとんど残されています。しかしながら、侵略者たちの恐怖心をあおったのでしょう、倒されたり、壊されたりした石像も少なくありません。わたしたちは、今その像を出来るだけ、元に戻そうと修復作業をしているところです。」
と言って、アドルフは丘の上に立ち並ぶ巨石像を指差した。
アナケナの巨石像は大きな帽子をかぶり、皆同じ方角を向いていた。
アドルフの説明では、この島にはアナケナ以外にも、巨石像の遺跡が数多くあるとのことだった。
『サスケ』たち子どもはアドルフの説明に興味を抱き、島の探検に行きたいと思っていた。

一行は『カメレオン号』を海に戻し停泊させる準備に取り掛かった。幸い海に浮かべることはできたが長い航海に耐えることは難しそうなほど損傷がひどかった。
しかたなく船の修理が済むまで停泊を余儀なくさせられた。
「海図には載っていないんだ。ここが何処だかも分からない。GPS(全地球測位システム)の情報ではここは水深5000メートルもある海の上ということになるのだが、われわれはこうして間違いなく陸の上にいる。不思議なこともあるものだ。GPSは正常に作動していないのかもしれない。」
と海江田船長は小首をかしげた。
「ここはどこなんだろう。そしてあんなに巨大な石像は、誰が何のために作ったんだろう。」
と、マンガ君が言った。
「何かのシンボルにしては数が多いし。皆同じ方向を向いているのにも何か意味があるのかな。」
と、『サスケ』。

「GPSが誤作動でなければ、ぼく達は時空を超えてしまったのかもしれない。あの嵐の海域では、今までも何艘もの船舶が忽然と姿を消しているので、恐怖のトライアングルといわれている。」
と、学者君。
「コンピュータゲームのように時空を超えることって本当に出来るのかな。」
とメガネ君は小声で言った。
「なんとも言えないね。SFの世界では日常茶飯事の出来事だし、ドラえもんの『どこでもドア』のようにどこでも行ける時空間移動装置だって発明されるかもしれないからね。ぼく達の現実問題として、ぼく達は海図にも無い島にいるということだよ。」
と、学者君が言った。
「とりあえず、明日皆でこの辺の探索をしようじゃないか。」
と高校生のノッポ君(真田竜馬)が言った。
みんなは、口々に「探検に行こう。」「探検に行きたい。」と言った。
これで決まりだ。明日は、島の探検だ。

探索へ続く


posted by 冬野☆男 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 第3章 怪奇島 巨石像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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