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2006年09月18日

第4章 黄泉(よみ)返りの森 第一次隊(2)

復習する


第4章 黄泉(よみ)返りの森 第一次隊(2)

10分ほど休憩し、「さあ、そろそろ出発しよう。これから先は、いよいよ黄泉返りの森だ。細心の注意を怠らないように。」とキャプテンは注意を促した。
サスケはもう一度、「十字法」の『鬼』、『虎』、『大』の字を左の手のひらに、力強く書き、握りしめた。
黄泉返りの森に、一行はとうとう足を踏み入れた。もう後戻りすることは出来ない。
うっそうと茂った森は、人為的に造られた道など一本もなく、地上に届く光もごくわずかで、薄暮のような暗さだった。
悪戦苦闘しながら一行は進んだが、蔦のようなつる性の植物が行く手を阻み、いばらのようなとげのある茂みは容赦なく肌に突き刺さった。進んでも進んでも、果てしないジャングルが延々と続いていた。まっすぐ進みたくても、進めないところが随所にあり、磁石はあっても、思った方向に行けるわけでもなく、無いよりは有った方がましという状態だった。
 地表には、背丈ほどもあるシダ類が繁茂し、倒木は朽ち果てて苔むし、食虫植物が大きな罠を仕掛けていた。
 地上と比べ、頭上はにぎやかで、猿やインコが盛んに動き回っていた。ぼく達が進入したのに気がついたのだろうほえざるが、盛んに声を発していた。その声は一行を威嚇しているようでもあり、仲間に何かを伝達しているようでもあった。
 何かの時バウリンガル・アニマルが役に立つかもしれないと持ってきていたので、試しにバウリンガル・アニマルのダイヤルをほえざるに合わせて聴いてみると、『見カケナイチン入者ガイル。警戒シロ。』『目ヲ離スナ。』と言っているようだった。
 バウリンガル・アニマルが役に立つことが分かって、張りつめていた気持ちが少し和らいだ。みんなの表情からも険しさが少し和らいだのが感じられた。
 「この森の住人にとって、我々は異邦人という訳か。」
 「そりゃそうだろう。何百年もの間、人間はこの森に足を踏み入れていないのだから、警戒されて当たり前。」
 「ぼく達が動物を怖がると同じように、彼らもぼくらを怖がっているかもしれない。」
 「あら、ドードーは人間を怖がらなかったから、絶滅してしまったのよね。」
 「サキちゃん、大丈夫かい。怖くないかい。」キャプテンがサキちゃんに声をかけた。
 「あら、あたしは大丈夫よ。それより、キャプテン、あなたのほうこそ腰が引けてるわよ。しっかりして下さいね。」と逆にはっぱをかけられる始末。
 サキちゃんって芯の強い子だなあとサスケは思った。
 悪戦苦闘を繰り返しながらも、少しずつ進んでいくと、突然目の前に、猫の額ほどだが幾分開けたところにでた。そこには自然の岩とは思えない、人造の石碑のように見えるものが建っていた。
第一次隊(3)へ続く


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