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2006年09月20日

第4章 黄泉(よみ)返りの森 第一次隊(3)

復習する


第4章 黄泉(よみ)返りの森 第一次隊(3)


その岩は、全体に緑色のこけが密生しており、時代の古さを暗示していた。
 アドルフさんは腰に下げたナイフケースからナイフを取り出し、注意深くこけをそぎ落とすと、そこには文字のようなものが現れた。
 全てのこけをそぎ落とすと、確かに何かが書いてある。ぼくらには皆目判読できない文字だったが、どうやらアドルフさんには分かったらしい。
 アドルフさんは、「石碑には、こう書かれています。『これより先、神の聖域なり。何人も進入を禁ず。』」と言った。
 「と言うことは、やはりこの先に何かがあると言うことだ。」とキャプテン。
 やっとここからが本番なのか。今までの道のりが序の口とすると、相当覚悟しないと、目的地にはたどり着かないぞ。誰もがそう思った。
 一行が、緊張して気を引き締めていると、どこからともなく、うんこのような臭いが漂ってきた。
 「サスケか、おならをしたのは。」
 「ぼくおならなんかしませんよ。そんなこと言って、キャプテン、自分がしたのを他人のせいにしょうとしてるんじゃないの。根性が悪いんだから。」
 「それにしても臭いな。」
 「きっと、ラフレシアという花が咲いたのでしょう。」とアドルフさんが言った。
 「ラフレシア。」
 「花の直径が1メートルもある、世界最大の花だよ。この強烈な花の臭いにつられて、ハエが飛んできて、受粉するんだ。花は一週間ぐらいしか咲かないし、つぼみのまま開花しないこともよくあるので、ラフレシアを見ることが出来たらラッキーだよ。この近くにあるはずだ、探してみようよ。」と学者君が言った。
 臭いのする方をたよりに探していくと、肉厚で毒々しい赤い色にまだら模様をした花びらが5枚の植物を見つけることが出来た。
 茎も葉っぱもなく、直接地面から咲いたようで、不気味な植物だった。お世辞にも綺麗といえるものではなかった。
 「花の直径では、ラフレシアが一番だけど、柄の長さまで入れると、アモルフォファルス・タイタニウムという植物が世界最大の花かな。これはこんにゃく芋の仲間で、腐った肉の臭いがするといわれているよ。それで別名『死体花』とも言われているよ。それにしても、この臭いはたまらないな。」
 「学者君って、本当に何でもよく知っているのね。尊敬しちゃうわ。」
 ラフレシア探しで少し道草を食ったので、休憩を一回抜かして、進むことにした。
 森の静寂を破るように、時折、猿やインコの鳴き声がこだました。
 相変わらず、動物たちは、サスケ達の進入を警戒して、仲間たちと連絡を取りあっているようだった。

 「おやびん。思った以上に大変なジャングルでげすな。」
 「忍術を会得している、我々にとっても骨のあるジャングルだな。」
 「この先何があるんでやんしょ。」
 「そんなことなど皆目分からん。それより、道に迷わないよう目印は付けているんだろうな。」
 「任せておいて下さいよ。おやびん。こう見えても、私は追跡、尾行には自信がありますから。以前、私立探偵事務所に勤めていたことがあり、数え切れないほども尾行調査をしましたからね。結構良い収入になったんですよ。あの仕事は忍者向きですよ。
ところで、おやびんは、クライアントは男と女とどちらが多いと思いますか。」
「そりゃおまえ、男の方だろう。」
「ぶー。残念でした。女性の方が圧倒的に多いんですよ。クライアントの依頼内容は、浮気調査がダントツ一位ですね。それでね、浮気現場の写真なんか証拠を揃えるんですがね、完全に黒だというのに、認めようとしないんですね。女心は微妙ですね。それだったら端(はな)から調査なんか頼まなければ良いんですよ。」
「それが女心というモンだよ。だからおまえさんは、いつまでも独り身なんだよ。」
「とんだとばっちりだ。あたしが所帯を持たないのは、それなりの訳があるんです。」
「そりゃ初耳だ。聞かせてもらおうじゃないか。」
「そんなこと言えるわけ無いじゃありませんか。」
「それより、あの石碑にはなんと書いてあるんでやんしょ。」
「あのこけの付き方から推測すると、かなり古い代物だな。あれは。」
Raflesia01.jpg


怪物ミノタウルスへ続く


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